RさんへO様より。漫画家さんについて

こんにちは。
以前メルマガ退会した○と申します。

実は先週、うちの会社が倒産して、大学に行けなくなったんです。

でも,なんとか生活切り詰めて、奨学金全額負担だったらギリギリ行けるかもしれないのです。

私の夢は漫画家です。
図書館の充実した大学は行く方が無難だと考えてます。

でも、私は奨学金をしてまで本当に大学に行くべきなのか考えても考えてもよくわからなくなってきました。

夢は漫画家なのは確かです。

でも行ける大学は家庭の事情で近畿圏内という制約が課され、東大は目指せなくなりました。
お忙しい中読んで頂き、本当にありがとうございました。

どうかアドバイスいただけないでしょうか。





Rさん、こんにちは。私はOという者です。
私自身はただの会社員で、漫画も全く描けません。
ただ、周りに漫画家志望、漫画家のセミプロ、実際に描いている漫画家、など
いろいろな人がおりますので、お返事を出します。
たぶん、このメルマガの読者の方にはそういった方面の方は
おられないでしょうし。

Rさんが漫画の業界にどのくらい詳しいかわかりませんので、
まずは一般的なことから書きます。

まず、「漫画家になる」というのが実際かなり難しいです。
一つ目はデビューまでの道のりが一般には遠いこと。
二つ目はデビューしても、なかなか続かないこと。
そして、ある程度描いていても上手く売れないと収入が低いこと。

この業界ではメジャー誌デビューしたら一応プロ、と言いますが、
デビューしただけではとても食べていけません。
その後、定期的に描き続け、その次に連載を取って、
これが安定して続かないと職業としては成り立ちません。

デビューを目指すのに一般的な方法は雑誌に公開されている賞に
応募することでしょう。しかし、これだと入賞して担当さんがつく、
という状態になかなかなれないことがほとんどです。

もう一つは漫画家のアシスタントをしながらデビューを目指す、というのも
ありますが、伝手(つて)がないとちょっと難しいでしょうか。
あとは、漫画家の多くは東京住まいですので、関西だと探すのが大変です。
また、アシスタントが忙しすぎて自分の作品を描く暇がない、
ということになりがちです。
もっとも、そこで修業をするつもりなら勧められます。ただし、そこでついた
「先生」の影響が大きくなりすぎる危険もありです。

これがお勧めなのですが、いくつか作品があるのならば、
それを先週部に持って行き、実際に編集さんに見てもらうことです。
それでどういう反応なのかにより、その雑誌と自分の作風が合うかどうか、
自分のレベル、などが大体わかります。
合わないと思ったら別の雑誌(出版社)に行くのがよいかも知れません。
もちろん、ちゃんと事前にアポを取って行ってください。
うまくすると、その段階で名刺がもらえて、何か描いて送ってきてください、
という展開になることもあります。
名刺ももらえなかったら、その人の目には止まらなかったと判断して
良いでしょう。

さて、雑誌なのですが、メジャー系を目指すのか、マイナーでもよいか、
などいろいろあります。メジャーだったら(少年誌なら)「ジャンプ、サンデー、マガジン」が
トップ3です。3社それぞれ特徴があります。
ジャンプだけ取っても週刊、月間、ヤング・・・など幅広くありますので、
そのうち自分に合いそうな編集部に行くのがベストです。
週刊少年ジャンプは最もメジャーですが、最も競争も過酷です。
30代になったらもう新人として取らない、と言われています。
(週刊連載はとても」ハードなので若い人が好かれる、とのことです。)

そういったメジャー以外の雑誌も世の中には山ほどありますので、
選ぶ範囲は広いとは言えましょう。

書く順番がばらばらですが、住むところについては、昔は東京へ上京が
基本でしたが、今はそうでもないようです。小さい仕事をもらったり、
編集さん(がついた後)との打ち合わせなどには当然東京の方が
有利ですが、その前の段階で上京する必要は基本、ありません。

基本収入ですが、だいたいどこでも一枚当たりの単価×原稿用紙の枚数、
となっています。新人だとだいたい1枚5000円くらいです。
16ページで8万円です。実際に描かれいるならわかるでしょうが、
意外と労力の割に安いです。


さて、漫画家志望で大学はどうか、と言われた時、とにかく一年でも早く
漫画家になりたい、というのでしたら、進学はお勧めしません。

しかし、長い目で見て一生の仕事は漫画家だ、というような感じでしたら、
是非大学に行かれることをお勧めします。
というのは、高校を終えただけくらいの人生経験では、将来描ける漫画の
幅が狭いのでは?というのと、「これが自分の専門分野」というものが
あった方が漫画のためにも、ご自身のためにもよいと思われるからです。
大学であるものを専攻して、それが自分の専門、というものがある人の方が
最終的には強いです。
あの手塚治虫先生は阪大医学部の出身ですから、ブラックジャックが
描けたわけだし。
江川達也氏は愛知教育大出身のため、学校・教育系の物が描きやすいでしょう。

現実的には、大学には行かず、高校時代からずっと漫画一筋の人も多いでしょうが、
それでは限界が来るのも早いのでは?と思います。
現漫画界が売れるとやたら長期化するのも「これをやめたら次は無い」のような
感じが、作者にも編集部にもあるからではないかと想像しています。
そう言った意味で、幅広い知識と教養をつけるのが最終的には身のために
なるのではないかと。
漫画にも人生にも知識と教養は大切です。

知りたいことなどと違っていたり、わかりきったことばかりだったらすみません。
それでは。

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