~理系頭に優しい古典文法~ 【助動詞(3)】

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~理系頭に優しい古典文法~ 【助動詞(3)】

□推量系助動詞 【総括図】

   「まじ」←─<打消>──「べし」
     ↑             ↑
     │             │
   <意味強化>     <意味強化> 
     │             │      
     │             │      ┌→反実仮想 「まし」
    「じ」←─<打消>──「む(むず)」─┤
                   │       └→推定 「らし・めり・なり」
                    │                  
                <時制の違い>                
            ┌────┴────┐         
          現在推量         過去推量         
            ↓             ↓            
           「らむ」           「けむ」


□断定の助動詞 … 「なり・たり」
 ◆断定の「なり」は、伝聞・推定の「なり」とは全く別の助動詞であり、
   断定の「たり」も、完了の「たり」とは全く別の助動詞であることに注意しよう!

 ◎断定の「なり」
  ★活用
       形容動詞のナリ活用そのものです。   
      ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
                 未然 連用  終止 連体 已然 命令
       断定の「なり」┃なら  なり  なり  なる なれ  なれ
                      に
      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

      《比べてみよう!》
      ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
                 未然 連用  終止 連体 已然 命令
       推定の「なり」┃ ○   ○   なり  なる なれ  ○
      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

  ★接続
   ・断定の「なり」 … 体言及び活用語の連体形に接続します。
   ・推定の「なり」 … 活用語の終止形に接続します。
               (但し、ラ変型の活用語の場合は連体形)

  ★意味
    [例] 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
           ^^^                        ^^^
    (男が書くという日記というものを、女の私も書こうと思って書くのである)

     ※ 上記の例で、「すなる」の「なる」は伝聞・推定の「なり」、「するなり」
       の「なり」は断定の「なり」です。

    「壺なる御薬たてまつれ。」 (「壺の中にあるお薬を召し上がれ」)

     ※ 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」は、このように「存在」の意味
       で用いられることがある。

 ◎断定の「たり」
  ★活用
   ・断定の「たり」 …形容動詞のタリ活用そのものです。
   ・完了の「たり」 …ラ変型の変化をします。

    ※ 簡単に言うと、断定の「たり」の連用形には「と」がありますが、
       完了の「たり」の連用形には「と」はありません。

  ★接続
   ・断定の「たり」 …体言に接続します。
   ・完了の「たり」 …活用語の連用形に接続します。

  ★意味
    [例] 清盛、嫡男たるによって、その跡をつぐ。
       (清盛は、長男であることによって、その[=父]の跡を継いだ。)


□希望の助動詞 … 「たし・まほし」
 ★活用
   「たし」  … 形容詞のク活用の命令形を消し、他の物の前に「た」を付ける。
   「まほし」 … 形容詞のシク活用の命令形を消して、他の物の前に「まほ」を
           付ける。

 ★接続   「たし」 … 活用語の連用形 / 「まほし」 … 活用語の未然形

 ★意味 … 希望「~したい」
   [例] 家にありたき木は、松・桜。(家に植えておきたい木は、松と桜だ)
       言はまほしき事もえ言はず、せまほしき事もえせず。 
       (言いたいことも言う事ができず、したいこともすることができない)


□比況の助動詞 … 「ごとし」
 比況とは、他と比べてそれと同様である、それに似ている、の意である。

 ★活用
      ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
              未然  連用  終止  連体  已然 命令
        「ごとし」┃ ごとく ごとく ごとし ごとき  ○   ○
      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 ★接続 … 「体言+の」、「連体形+が」に接続しますが、体言や連体形に
        直接接続することもあります。

 ★意味
  ・比況 …「~ようだ」
   [例] おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。    
    (奢り高ぶっている人も長くは続かず、ちょうど儚い春の夜の夢のようだ)
    恐れおののくさま、たとへば、雀のたかの巣に近づけるがごとし。
    (恐れ震えている様子は、例えると、雀が鷹の巣に近づいたかのようだ)

  ・例示 …「~のような」
   [例] 和歌・管弦、往生要集ごときの抄物を入れたり。
    (和歌・管弦の書物や往生要集のような書物の抜き書きを入れている) 

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